レンタルサーバにおけるPython3.6実行環境構築の事例をご紹介します。
2018年5月現在、さくらインターネットのレンタルサーバ環境ではPython2.7系が標準となっています。
またさくらインターネットのレンタルサーバ環境ではroot権限の操作は実行できません。
このような状況でPython3.6/pip3.6をインストールする方法をご紹介します。
〇Python3.6の入手
Python3.6をダウンロードします。
当例では3.6.5をダウンロードしました。
wget –no-check-certificate https://www.python.org/ftp/python/3.6.5/Python-3.6.5.tgz
tgzファイルを解凍します。
tar zxvf ./Python-3.6.5.tgz
〇Python3.6のコンパイル
解凍してできたディレクトリに移動しコンパイルオプションの設定、コンパイル、インストールを実行します。
当例ではインストール先は$HOME/local/pythonにしました。
なお、コンパイルオプションでOpenSSL関連ファイルの場所を明示的に指定しないと、古いOpenSSLを参照してしまいpipによるモジュールインストールができなくなります。(サーバアクセス時に古いSSLを使用していることに関するエラーが発生します。)
cd ./Python-3.6.5
./configure –prefix=$HOME/local/python CPPFLAGS=”-I/usr/local/ssl/include” LDFLAGS=”-L/usr/local/ssl/lib”
#2018.05現在、さくらインターネットレンタルサーバにおける新しいOpenSSLは/usr/local/ssl/配下に格納されています。
make
make install
〇Python3.6パスの整理
$HOME/local/python配下にインストールされた実行ファイルへパスを通します。
当例ではホーム配下にbinディレクトリを作成しました。ログインシェルはbashとなっております。
cd ~
mkdir bin
cd ~/bin
ln -s ~/local/python/bin/python3.6 python
ln -s ~/local/python/bin/pip3.6 pip
環境変数PATHの先頭に$HOME/binを追加します。
自動で環境変数に反映するには.bashrc等に書き込んでください。
環境変数PATHの設定が反映されたことを確認します。
which python
which pip
当例で言えばいずれも/home/$HOME/bin配下のpython,pipを指示していればOKです。
〇pipのアップブレード
pipをアップブレードします。先のコンパイルでSSLの指定が上手くできていないとエラーが発生します。
pip install –upgrade pip
〇あとがき
以上でさくらインターネット/レンタルサーバ環境にPython3.6/pip3.6の環境が構築できました。
Unix系サーバの環境構築を実施した経験のある方であれば特に難しくない内容だと思います。
Unix系OSに不慣れな方、もう少し詳しいご支援を希望される場合は問い合わせフォームからご連絡ください。